すいません、11月19日発送分から
削り節を値上げさせていただきます

 

新聞等でも、度々、報道されているのでご存じの方もいらっしゃると存じますが、鰹節の原魚となる冷凍カツオの相場が、今年の1月より上昇し始めました。原因は(1)世界的なツナ缶需要の大幅な増大、(2)円安、であります。

 

鰹節って、日本で水揚げされたカツオから作ってるんでしょ

それが、ツナ缶や円安と、どう関係してるの???

と思ってらっしゃいますよね。私だって、鰹節屋になる前は、夢にも思っていなかった。少々長くなりますが、説明を聞いてください。

かつて、冷凍カツオの最大の買い手は日本の鰹節製造家だったのですが、10年ほど前から状況が変わりました。シーチキンに代表される魚肉缶詰の需要が全世界的に増大した結果、世界シェアの7割を占めているバンコクにある缶詰業者が最大の需要家となりました。

ツナ缶といえばキハダマグロが原料と思われるかもしれませんが、10年以上前からカツオも大量に缶詰に加工されるようになりました(マグロが高くなったので)。今や、冷凍カツオの9割は缶詰の加工に使われ、鰹節に加工されるのは残りのたった1割。ですから、事実上、バンコクの冷凍カツオ相場(ドル建)が日本の相場(円建)を決めるのであります。

バンコクの冷凍カツオ相場は、ここ10年来のツナ缶需要の増大により、右肩上がり。特に、ここ4年間で4割以上も急騰しています。ただ、昨年の秋までは1ドル=77円まで円高が進んだので、円換算した冷凍カツオ相場の上昇は限定的なものでした。バンコクの相場を円換算した数字が、日本の相場の底値になるので、円高になればその分、安くなるのです。バンコクと日本の相場が互いに裁定し合うので、日本船が獲ったカツオですが、価格は輸入品と同様に動くのであります。

ご承知のように、安倍政権発足後、一気に円安が進みまして一時は1ドル=100円を突破、結果として、4月の円建て冷凍カツオ相場は、昨年秋に比べ4割以上も上昇してしまったのです。

そんな4月から5月が相場の頂点、まさに熱狂的に加熱しまして、「このままだと鰹節が超高級食材になってまう」と真剣に心配をしていたのですが・・・6月末よりバンコクのドル建て相場も為替も落ち着き、価格も下がりました。

とは言うモノの、原料価格は想定から、まだ10%は高く、このままでは原料差損が積み上がるばかり。その上、同じく円安の影響から、包装資材、電気料金など、製品を製造する際に必要不可欠なコストの増大は経営努力で吸収できる範疇を超えてしまいました。このような状況でございますので、弊社としても、商売を継続するため、誠に心苦しいかぎりですが、削り節製品の値上げをお願いすることになりました。

 

11月19日(火曜日)以降の発送分(11月15日よりの受注分)

について

削り節製品の価格を4%~10%値上げさせていただきます。

 

なお、11月14日までに承ったご注文でも、11月19日以降の発送分については

値上げ後の価格での販売になりますので、予めご承知おきください。

 

また、築地の店頭で販売している業務用の削り節製品は

10月1日より値上げをさせていただきます。

(通販カタログ発行の兼ね合いで、通販商品と業務用商品では実施時期が違います)

 

魚価が極端に上がったのは、マグロとカツオですので、すべての削り節商品の価格を改定するのではありません。具体的には、 かつお荒節血合抜の削節鮪荒節血合抜の削節鰹荒仕上節の削節かつお荒節の削節まぐろ荒節の削節本枯鰹節厚削り鰹節厚削り上粉糸粉糸がき細花、こちらの11商品の価格を改定させていただきます。新価格については、それぞれの商品ページをご覧ください。

 

正直な話、低ランクの原料を使えば値上げ幅の縮小も可能です。しかしながら、品質を落としてまで値上げ幅の縮小する事をお望みのお客様は皆無に近いと考えております。ですから、削る原料(鰹節)と包材の品質は一切落とすことなく、かつ、弊店の営業が継続できるようなレベルまで最低限の値上げのお願いをさせていただきたく存じます。

  今後も、今まで同様、『真っ当な削り節』を製造することを約束いたします。

相次いで食品の値上げが実施される中、大変申し訳ございませんが、鰹節を取り巻く状況をご賢察いただき、価格改定についてご理解を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

 

築地仲卸 伏高 三代目店主 中野 克彦

 

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