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五島の塩はかく作られる
2024年1月より、五島の海塩を
仕入れる製造家が変更になりました。
今までの製造家の本業が忙しくなりすぎて
弊店に塩を供給するほど作れなくなったからです。
以下の内容は、今までの製造家の作り方です。
新しい製造家の作り方はこちらをご覧ください。
日本の西端に位置する五島列島では、平成九年より、海塩作りが始まりました。
五島灘の澄みきった海水を汲み上げ、風力と火力のみを利用してじっくりと煮詰め、海水に含まれているミネラルを活かして、甘みがある優しい味わいの塩に仕上げています。
先ずは海水を汲み上げ、写真の左側の建物(ネット式塩田)に入れます。
海水の塩分濃度は3.5%です。これから三つの段階を経て塩分濃度を濃くさせて塩が出来上がります。
建物の中に沢山のネットは張られているネット式塩田、ポンプで海水を循環させ、 ネットを伝わる海水に自然の風をあてて、水分を蒸発させ「かん水」を作ります。
「かん水」:塩分濃度が高くなった海水のこと
塩分の濃度が10%~11%になったら次の工程に進みます。
こちらの作業場では釜でかん水を煮詰めています。
薪が燃料です。
薪を焚いている間は目を離せませんので孤独な徹夜の作業になるそうです。
約20%ものミネラルを含んでいる塩に仕上げる秘密は、どうやら、この焚き方の技術にあるようですが、 詳しいことは教えていただけませんでした。
この釜では塩分濃度が17.5%になるまで煮詰めます。
この段階でカルシウムが分離します。
かん水はタンクに貯められ汚れを沈殿させます。
タンクの中に入っているかん水の上澄みだけをこちらの釜に入れて、再び、煮詰めます。
最初に浮き上がってくる結晶が、最も甘く、最も苦みのない『一番塩』となります。
こちらの製造家では3回に分けて塩の結晶を作っているので、二番塩、三番塩まで ございます。
最後に残った液体が、いわゆる苦汁(ニガリ)、塩化マグネシウムです。
掬い取られた結晶を脱水装置にかければ自然海塩の出来上がりです。
普通の自然海塩は一番塩、二番塩、三番塩を均等に混ぜて作ります。