鰹節の伏高トップページ > 伏高コラム/レシピ > 鰹節屋のつぶやき > 薩摩節の製造工程 生切り
薩摩節(薩摩型本節)の製造工程
1.生切り(なまぎり)
左のような大きなまな板(作業台)に生の鰹を並べて生切りをします。
作業は以下の順番で行われます。
頭切り--腹皮取り--背皮剥ぎ--身卸し--腹骨取り--合断
尚、改良型の本節(普通の本節)の製造では「腹骨取り」はしません。 また、「背皮剥ぎ」の内容も若干違います。
頭切り(あたまぎり)
文字通り鰹の頭を切り取ります。現在では、ほとんどの製造家はヘッドカッターと呼ばれる 機械を用いて頭を落としますが、井上さんは、昔ながらに、包丁を使って頭切りをします。
腹皮取り(はらがわとり)
腹皮と切り取り、内臓を取り出します。切り取った腹皮(一番脂がのっているところです)は 天日に干してから、焼いて食べると抜群に旨い肴になります。
背皮剥ぎ(せがわはぎ)
背中に包丁を入れ、背びれと背皮を剥ぎます。
「薩摩切」ではこの時に、取るべき鱗と皮を剥ぎます。
「改良型」の本節(普通の本節)の場合は、ここでは 背びれと背皮と取るだけで、余計な鱗や皮は、「煮熟」後の「骨抜き」工程で、取り除きます。
身卸し(みおろし)
片手で鰹を持ち上げ、包丁を入れて、鰹を三枚に卸します。
写真の魚は、頭と内臓を取り除いても6キロ程度はあるはずです。腕の力が衰えると 大きい鰹を切ることはできなくなります。
腹骨取り(はいぼねとり)
腹の部分の小骨を包丁でそぎ落とします。
これは「薩摩切」独特の工程です。「改良型」にはこの工程はなく、 小骨は全て煮熟の後に抜きます。
合断(あいだち)
鰹の半身を、更に、血合の部分を境にして、背と腹に切り分ける作業です。