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採蜜は年にたったの1度だけ、
だから日本蜜蜂のハチミツは稀少なんです
静岡県は焼津の高草山で日本蜜蜂の養蜂をされている水野さんは 毎年10月、11月に巣箱からハチの巣を取り出し、採蜜を行っています。
西洋蜜蜂は短期間に大量の蜜を集めることができるので
年に3~4回は採蜜ができるのですが、日本蜜蜂体も小さ
く、その上、行動範囲も狭いので1年半から2年もの歳月を
かけて大きくなったハチの巣から、年に1度、採蜜をします。
水野さんは一人で作業をしているので、一日に巣箱一箱分の蜜を採るのが精一杯。そして、採蜜の時期は10月、11月に限られるのですから(陽気が暖かければ、12月上旬に採蜜する事も希にあります)、日本蜜蜂のハチミツの生産量が少ないのも無理ありません。
昨年(2009年)10月、採蜜の現場を見学に行きました。
その日は、蜜を集めて約一年半の巣箱からハチの巣を取り出し、蜜を搾りました。
先ずは、作業する巣箱に空の巣箱を連結させます。
箱を叩いたり、巣箱の中に風を送ったりしながら、中に入っているハチを空の巣箱の方に移動させます。
フタを開けるとハチの巣が見えてきます。
この巣箱には、板状のハチの巣が縦に並んでいるので、作業しやすいとの事。
包丁を使って、丁寧にハチの巣を取り出します。
取り出した巣は、(1)蜜だけが入っている部分と(2)ハチの子や花粉が入っている部分に切り分けます。
これは、新しい巣箱(空の巣箱)に移動させれたハチです。次には、この巣箱にハチの巣を作って貰わなくてはなりません。
そこで、先ずは砂糖水をひたしたスポンジを巣箱に置いて、ハチの餌にします。1週間から10日後には、ハチが作った新しい巣が出来上がっているそうです。花が少ない冬の間、ハチの巣の蜜を餌にして、巣ごもりをし、春の訪れと共に野に咲く花の蜜を集めるため、外に出るのです。
さて、これが蜜だけが詰まっているハチの巣。
蜜だけの巣を集めて、棒でつついて蜜を搾ります。ここまでの作業を屋外で行いましたが、約2時間かかりました。
採取した蜜を自宅にある濾過器に入れます。
一晩経つと、蜜は下に流れ、濾過器の最上部には蜜蝋だけが残ります。
濾過器は2段構造になっていて、最後は布で濾して、キレイなハチミツの出来上がり
濾過器から出て来たハチミツは大きい容器に取り置いて、注文に応じて小さい瓶に詰めて出荷します。
この日の収穫は、ハチミツにして、たったの2升。作業をした巣は小さめで、大きい巣の場合 8升も収穫できる場合があるそうですが・・・平均的な一日の収穫量はぜいぜい3升前後らしい。 これで、年間で採蜜できる日数が50日程度なんですから、水野さんが作るハチミツの量は想像がつくと思います。
できることなら年間を通して日本蜜蜂のハチミツを販売したいのですが・・・こんな事情ですので、数に限りがございます。 今シーズン(2009年秋口)は12月に採蜜ができなかったこともあり、そして、予想を上回るご注文を皆さまから頂戴したので、 弊店で販売できるハチミツの量も少なくなってまいりました。 2010年6月4日現在、残りが65本になっております。
つい先日、水野さんから聞いたのですが、今年(2010年)は例年より早めの9月から採蜜を始めるとの事でした。 採蜜後、ハチミツの発酵が収まってから瓶詰めをして出荷するので、11月には新しい蜜が入荷してくると思います。
お手元のハチミツが残り少なく、11月まではお待ちいただけないようなら ぜひぜひ、早めのご注文をこちらよりお願い申し上げます。
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