鰹節の伏高トップページ伏高コラム/レシピ築地の風景

黒川 春男

築地の風景

by 築地本店店長、黒川春男

2009 12 18

連日、テレビで政府の事業仕分けが報道されています。科学に門外漢の私が口を挟むのもおこがましいのですが、スーパーコンピューター(スパコン)の開発費が一千億円とは、ぶったまげました。

 

そのニュースから数日後、長崎大学の浜田教授らが、スパコンのノーベル賞ともいわれる「ゴードン・ベル賞」を受賞したという記事。受賞理由は、東京・秋葉原で売っている安価な材料を使ったスパコンを製作。この三千八百万円のスパコンが,数百億円掛けた「地球シミュレーション2」という日本一のスパコンに演算速度で勝ったからだ。世界一のスパコンを作る資金でスパコンが何千台も作れるという事になる。

 

伏高のゴッドマザー、坂下さんも怒ってました。「カネをかけりゃいいってもんじゃないのよ!! 発明ってのは、学者のちょっとしたひらめきなんだから、苦しんで苦しんで、カネがないなら工夫して、工夫して生まれるもんよ!!」と。

 

民間からでも大発明はある。発光ダイオード(LED)だ。青色発光ダイオードを発明した中村さんも、一企業の研究室で上司の無理解と戦いながら発明にこぎ着けた。今やLEDは次世代照明の本命となっている。

 

先月、築地の店頭に一人のセールスマンが現れた。LED照明器具の売り込みだった。伏高の店先を照らしだす白熱電球をLED電球に代えませんかと。LEDに代えれば、熱の発生がない。紫外線を発生しない。虫が寄りつかない。そして何よりも、十年以上交換が不要。消費電力も十分の一で済む。大幅なCO2削減と仰る。エコと言われると弱いのだが、値段を聞いてびっくり。一個二万円もする。六灯取り替えたら十二万円!! 

 

セールスマンは食い下がる。割引も、製品三年間保証も、六ヶ月後の洗浄メンテナンスもサービスしますからと。内心、夏場の猛暑期には、頭上からビンビン降りそそぐ高温ビームには僻易していたのだが、何しろお値段がねぇ。「貴社の企業努力で、白熱灯並の値になったら考えるから」と断った。家電大手も次々LED市場に参入したそうで、価格も下がってほしい。

 

科学技術は、日本の飯の種であることは、誰もが認めるところで、大いに期待しますが、だからって聖域じゃない。税金ジャブジャブ注ぐ前に、どうしてそれだけのカネが要るのか、途中でピンハネされてないのか、洗い出す事が先決です。国民は怒ってるぞ!!

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