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黒川 春男

築地の風景

by 築地本店店長、黒川春男

2016 23

続けざまに来襲した台風に引っ掻き回された八月だった。海は大荒れ、時化が続き、魚がない、魚価も高止まり、と築地にいらっしゃるお客様もため息ばかり。  

先月の最終日曜日、豊洲新市場の対岸真正面の晴海埠頭に出かけた。二日前に、南米チリの「白い貴婦人」の異名をもつチリ海軍の練習用帆船「エスメラルダ号」が寄港したと、日経新聞の片隅のコラムで紹介されたのを見たからだ。自宅から埠頭まで徒歩十分程度の距離。オリンピック選手村予定地に入ると車道と歩道が入り組んで歩きづらいったらない。やがて帆船の四本マストが見えてきた。更に近づくと岸壁に数百人の列が。午後二時から一般公開なのに、もうこんなに並んでる。船上にも、すでに訪問者でごった返している。こりゃ駄目だと諦めかけた時、少し離れた先に、海上自衛隊の船艦が。こちらも一般公開中らしい。

並ぶ人も疎らだし、折角ここまで来たんだからとレッツゴー。手荷物検査を受け、手渡されたパンフレットには「護衛艦まきなみ」と書かれています。エスメラルダの親善訪日に対するホストシップの役目なのです。全長151メートル、全幅17.4メートル、見上げる無骨な誇大な鉄の塊。間近で船艦をみるのは初体験。何故かぐぐっとくる不思議な感情。要所要所に白い制服の自衛官が出迎えて一礼してくれます。ルートに沿って艦内見学します。艦内移動は急勾配タラップ(ほぼ垂直)の連続。履いてくる靴を間違えた。各タラップには自衛官が付き、「気をつけて、手摺りをしっかり握って下さい」と声をかけてくれる。キリリとした清々しさに、思わず敬礼したくなる。

指令を発するブリッジ、狭い上に、軍事オタクっぽい若者が動こうとしない。やっと抜けだし前方甲板へ。前方に優美なエスメラルダの後ろ姿が。そして後方の甲板にヘリコプター。装備されている機関砲、ミサイル、魚雷発射管を見て回ると頼もしくも誇らしくなってくる。北朝鮮の狂気じみた脅しに立ち向かうとっておきの切り札は自衛隊しかないと思えてくる。二人で自分達も軍事オタクになりそうだねと笑った。

してもうちのやつ、白い制服姿の自衛官が格好いいと何度も言う。もう一度、エスメラルダに戻る。乗船口横で皆さん買い物してる様。何か飲んでる。下船した人がボトルを持ってる。チリといえばワインだ。「上等のワインほしいなあー」。「この飲み助!!」。

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