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黒川 春男

築地の風景

by 築地本店店長、黒川春男

2012 24

梅雨明けから続く絶好調のお天道さんが、ジリジリ焼いてくれます。今朝も朝だというのに、部屋の温度計は三十度をさしている。我家の扇風機は、四六時中、首を振って休む間もない。その扇風機の前に氷柱でも置きたい気分。  

 

三日前の夕方、ついに我慢できず、禁断のエアコンのリモコンスイッチに手が伸びる。が、表示が出ない。去年の夏に数回使った後、今年の冬も使っていなかったので、電池が切れたのかと電池を交換するが、うんともすんとも答えなし。

 

「先ず、エアコンの掃除が先でしょう!!」とうちのやつ。フィルターを洗い、エアコン洗浄スプレー液を内部に吹きかける。再び、スイッチオン。駄目だ。うちのやつ、リモコンを取り上げ、両手でバンバン叩く。出ました表示。エアコンの室外機の上のひょうたんの鉢が震え始める。青葉の絡まる網と共にひょうたんの鉢を移動させる。なんなのだ、この冷気。温度も下がっていく。来客もなかろうと、ユニクロのステテコ一枚だったのだが、慌ててTシャツを着る。

 

値上げの決まった電気料金を、東電に払うのも癪に障るが、辛抱の限界が来ていた。吉田兼好の徒然草のある段で、「住まいは夏を旨とすべし」とあったと思うが、冬は重ね着などで何とか耐えられるものの、夏は、これ以上、剥ぎ取る物がないのだから、どうしょうもない。

 

ここ一ト月は、休日の外出を控えていた。と言うより、その気にならない。七月最後の日曜日、「神保町の揚子江菜館の元祖冷し中華を食べたいんだけど」とうちのやつ。「神保町ならボンディのカレーの方が良くない?」「いいや冷し中華が絶体いい」。食い物につられて重い腰を上げた。

 

大江戸線門仲駅で東西線に乗り換え、竹橋で降り、神保町へ向かう。日陰、日陰と選んで進む。日曜日のせいか、炎天のせいか、人通りも疎ら。揚子江菜館に到着。さっそく元祖冷し中華をいただく。富士山をイメージしたらしい。具材がそそり立つ。ランチサービスのシューマイ2個月で千四百七十円。最近、入れ歯のせいか、昔、旨いと思ってたものが、そうでもなくたった。

 

熱中症の危険を冒してやって来たのにと、もやもやした気持ちのまま、即行で帰宅する。御不満の黒ネコに「スープカレー食べる?」、今朝作ったらしい。「これ、うまいじゃん」と不貞腐れた自分を誤魔化す。

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