鰹節の伏高トップページ伏高コラム/レシピ築地の風景

黒川 春男

築地の風景

by 築地本店店長、黒川春男

2006 12 22

暖かい日が続いたせいで、作物が育ち過ぎて白菜、大根など値崩れ。廃棄処分しているとか。もったいないを通りこして、世の不条理を感じます。

 

先日、一ト月繰り上げての忘年会?に出かけました。まず突き出しとして、大根の皮の膾が登場。天日で適度に干した大根の皮の絶妙なシャキシャキ感に全員が唸ります。廃棄をまぬがれた幸せな大根さんです。まして、皮まで余すところなく立派な一品に仕立てられて。百合根の梅肉和え、湯葉と海老芋の茶碗蒸、あん肝と水菜のサラダとつづき、そしてふぐ刺。黒ネコ「ふぐの調理師免許、もってんですか?」と云うと、若い店主「ふぐ免許を持ってなかったら、自分の店で出してませんよ」と微笑みながら、ピシャリ。黒ネコ大謝りでした。その後も料理は続き、たらふくいただいて会は終了しました。満足の一字です。

 

さて二次会へ。いつも他人様任せの黒ネコは連れの女性達の案内でソウル・バーへ。えっ、ソウル・バー? 韓国のお姉ちゃんがいるバー? わくわくしながら、新川からタクシーで銀座へ。銀座だというのに、車はだんだんと人通りのない街灯もまばらな一角へ向かい、とある古びたビルの前に。そこだけ、ピンクの電飾が。いよいよもって怪しい。重たい鉄の扉を開いたとたん、懐かしい曲が飛び出してきます。スリー・ディグリーズ『荒野のならず者』 なんだ、ソウル・ミュージック・バーだったのです。店内には、黒ネコと同年配のマスターと女性客二人。

 

一瞬にして三十年前にタイムスリップ。ノリノリの音楽を肴に酒が進みます。バーボンの水割りから、焼酎のボトルへ。やがて、先客の女性達が踊り出して、場は最高潮へ。黒ネコ一人を残して全員が立ち上がってステップを踏み始めました。二本目のボトルが開けられると、先客の女性の一人が黒ネコの手を引き誘います。ぐっと飲み干し、踊りの輪の中へ。あとはメチャクチャ、ご想像にお任せします。

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