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黒川 春男

築地の風景

by 築地本店店長、黒川春男

2018 10 26

東京の台所の役割を担って来た築地は八十年の歴史を終える。本当にご苦労様でした。

九月最後の連休、とよし上会場前にPCのセキュリティーソフトがあと20日で終了と表示され、豊洲のノジマ電気店へ。我がマンション脇の晴海大橋を渡る。この運河の河幅は隅田川の2倍以上。アーチ状の登り坂の傾斜ははんぱない。自転車は電動でないと無理。渡りきった右手が豊洲市場。左手にゆりかもめ新豊洲駅。隣の市場駅とは300メートル程。近すぎる。  我がマンションのテラスから豊洲市場の全景が目前に見渡せる。ゆりかもめに乗って市場駅で降りプラットホームから市場を眺める。パラパラと警備員が見えるだけ。閑散としている。ここが新しい戦場(いくさば)となるのか。

都心から市場のアクセスは晴海通り一本。晴海大橋南詰の交差点を右折して、135号線を市場入口に向かうのだが、この交差点に反対方向の首都高十号晴海線の出口が合流し大渋滞が常態化するのは必至。早朝から、豊洲市場に入場するトラック五千台以上、退出するトラック、買出客の車が加われば、常に物流ストップと隣り合わせ。渋滞すれば、急な配送に対応しきれない。特に東京の西側に位置する三鷹や練馬に荷物が届くのは午後になってしまう。飲食店を営むお客様はランチに間に合わない。入場できても、仲卸棟と青果棟は太い道路で分断され、徒歩での移動はいったん建物から外に出て、連絡橋(歩道橋)での移動。場内はだだっ広く、無駄に時間がかかる。体力も消耗。仕込みすら間に合わずランチをあきらめるかもと、伏高のお客様の悩ましさがビンビン伝わってくる。

大半の買出客の人達は通行許可証を申請すれば、豊洲市場にマイカーで行けると思っている様なのですが、残念ながら三階の時間貸しスペースは五十七台分足らず。ある伏高のお客様は、「駐車料金ばかばかしいから、路駐じゃん。築地はそうだったんだから」と強気。たぶん豊洲場内も治外法権が発生すると思う。

都心から晴海通り一本しかアクセスがないのは環状2号線が未完なのだ。今年11月に仮開通させると、小池知事は慌てて宣言した。晴海大橋の下流に豊洲大橋(豊洲市場に直結)、黎明大橋、築地大橋(築地市場の岸壁)まで道路は完成してるが、築地市場は壊せず、築地市場の岸壁からほぼ直角にカーブして浜離宮との間の水濠の上の市場側に借り通路を通した。極めて危なっかしい代物。直角カーブで事故が発生すれば、即大渋滞発生。ちなみに環状2号線は、築地市場廃場後、地下トンネルで汐留ジャンクションそして首都高と直結(平成22年完成)。湾岸BRT(バス高速輸送システム)も同様。

無難なアクセスは、JR有楽町駅から有楽町線で豊洲駅下車。ゆりかもめに乗り換え、2駅目の市場前駅でしょうか。あとは、新橋駅、東西線東陽町駅から豊洲市場行き都バスが10月11日より、早朝から運行されました。

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