築地鰹節伏高 鰹節屋の与太話
2015年1月9日 Vol.696築地の鰹節屋『伏高』がおくる、よもやま話

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 あけましておめでとうございます。

 築地仲卸 伏高、店主の中野でございます。

 

真っ当な食材で豊かなくらし
 
今週のおすすめ
     乾舞茸   姫ひじき          干出だけで育てたアサクサ海苔
         

乾舞茸

抜群の食感と香りが楽しめます

マイタケも乾燥させると旨くなる

 

姫ひじき

柔らかいけどコシがある

 

干出だけで育てたアサクサ海苔

幻のアサクサ海苔、ようやく手に入りました

アサクサ海苔

vs.

スサビ海苔

 
店主あいさつ
 

あらためまして、おめでとうございます。
伏高の中野です。

「 遅くなってすいません

  じゃーコレ、さっき買った物と一緒に
  送ってくださいね 」

年末の築地の店頭
歳の頃なら70台前半のおばあさま

20分ほど前に、弊店で
昆布、田作、煮干をお買いになり

「 あのー、コレ宅急便で送ってください 」

って仰るので、弊店の従業員が

「 わかりました 」と答えると

「 これから他所の店で買い物するから
 それも一緒に送ってもらえますか? 」

と、おばあさま。

「いーですよ」と従業員が言うと
おばあさま、次なる店を目指して歩き出した。


そして、戻ってきたのですが・・・


手にしていた荷物は

別の鰹節屋で買った削り節が入った
かなり大きいレジ袋が4つ。

ウチで買った商品と一緒に送るとすると
段ボール1個では、とうてい収まらない量であります。

従業員の顔が一瞬曇り

「 えっ・・・ 」

と言葉を発すると

「 お宅で売ってるの、知ってたんだけど・・・ 」


私、この手のお客さん、大嫌いなんですよ。

ウチで昆布を買って、鰹節は他の店で買うことは
お客様の勝手なので、私がどうこういう筋合いでは
ありません。

でも

商品(他の店で買った物も含め)を段ボールに詰めて、
宅配便で発送するのは、弊店がお客様に提供している
無料のサービスなのだから

同業他社で買った鰹節を持ってくるのは
どうかと思うわけですよ。

少なくと、私には絶対にできない。


一寸の鰹節屋にも5分のプライドであります。

ちなみに築地では
代金は現金取引
商品は店頭での受け渡し

これが基本。

そこから先は、商品価格に含まれてない
無料サービスになります。


事の成り行きを、店の奥の方で
見てたんですけど思わず
店頭まで移動してしまい

「 悪いけど、ウチは他所の鰹節をウチの商品と
  一緒に送ったりしません

  大体、鰹節屋に向かって、他所の鰹節屋の鰹節を
  一緒に送ってくれなんて
  常識的にありえないでしょう 」

と声を荒げてしまった。

すると、おばあさま、平然と

「 あら、そーかしら??? 」

ときたもんだ。

見解の相違、ってヤツですかねぇ

まあ、怒っても仕方ないので

「 どうせ荷物は2個になるし

  とにかくウチは運送屋じゃくて
  鰹節屋なんだから

  その鰹節は、他所から送りましょうよ 」

と言って、おばあさまに
お引き取り願ったのであります。

ほんとは


「 ばばぁー、もう二度と買わなくていいから

  さっき買った商品だって、お金返すんで

  さっさと帰ってくんねぇかな!!! 」

と言いたかったんですが・・・


さすがに大人げないので、我慢したのであります。


ここ10年、築地にいらっしゃる
一般消費者の方かなり増えたのですが

同時にヘンなお客さんも増えてしまって
私の精神衛生上、極めてよろしくないのですよ。


築地に観光客なんて、一人も来なくていい

と、頑なに思っている私としては

私的に行動や言動が理解できない
お客さんに遭遇すると

「 ウチで買わなくていいから!!! 」

って、ついつい言っちゃいそうで
極力、店頭にいないようにしています。

てな訳で、築地の店頭にいらしても
私は、かなりの高い確率で、おりませんので
ご了承くださいませ。

もっとも、私に会いたいと思っている方は
少ないとは思いますが・・・


お客様は神様です

って、本当なんだろうか???


誤解のないように申し上げておきますが

普通に買い物をしていただけるお客様は
心の底から大切だと思っています。


とまあ、新春1回目のメールから
いきなりグチになってしまい
情けないったりゃありゃしない。

こんな私ではありますが
本年もよろしくお願い申し上げます。

築地仲卸 伏高 三代目店主 中野 克彦
 
今週のおすすめ
お手製ポン酢はオンリーワンの手土産です   昆布もヒネ物が旨い   砂糖の世界も複雑だった
         

お手製ポン酢は、オンリーワンの手土産です

 

柑橘果汁、今年も入荷しています

 

昆布もヒネ物が旨い

1年寝かせるだけで

ほんと、旨くなります

 

砂糖の世界も複雑だった

『 糖は甘いが、蜜は苦い 』のであります

 
 


 

職人が丁寧に仕上げた、まがい物ではない、昔ながらの
「真っ当な食材」を、一人でも多くの方に味わっていただきたい。
そして、子や孫の世代に残してゆきたいと考えています。
 

築地仲卸 伏高
中野 克彦
nakano@fushitaka.com

「海のだし」のお話は
https://www.fushitaka.com/

伏高流 鰹節の削り方
伏高流 鰹節の削り方
<動画にて公開中>
 
 
 

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