今月のレシピは

鯛すだちそば

もちろん、めんつゆは

本がえしとダシでお手製です

ほんの少し蕎麦汁をつけて食べると

甘味のある蕎麦の味が口の中に広がります

『 糖は甘いが、蜜は苦い 』のであります

あらためまして、おはようございます。
伏高の中野です。

　「 俺は生活のために商売してるけど
　　 そっちは趣味でしてるだろ

　　 そこの違いだよ

　　 だから、どうしろとは言わないけどね 」

この前、仲人殿と電話で話し
つくづく私は商売に向いてない
と改めて思いました。


仲人殿は、私より一廻り上の６８歳

元々は鰹節屋なんだけど

鰹節だけじゃ将来性はまったく無し

と、早々に悟って、乾麺を販売したり
製菓材料を販売したり
手広く商売をしている方なんです。

百貨店やコンビニ、スーパーで
仲人殿の会社の製品が多々売られているので
皆さまも、目にされたことがあるに違いない。

何たって、個人保証が全く無しで
銀行から借金できるんだから
私にとっては雲の上の人
超一流の経営者であります。

でも、鰹節については私の方が
すでに詳しい。

だから、時折、質問の電話をいただくのですが
そりゃー、真摯に答えます。

で、二週間前

　「 伏高さんで売っている粉ダシ
　　あれ世間じゃ－、売れてるらしいんだ

　　今度、テレビ通販に進出しようと
　　考えてるんだけど、粉だしを売ろうかと思って 」

こんな電話だった。


自分で売ってて言うのはヘンですが
粉ダシはお料理上手の人なら
便利に活用できる優れた食材ですが
料理の初心者が使いこなすには
ちょいと慣れが必要なんです。

だから

　「 テレビ通販で一般大衆向けに売るなら
　　粉ダシじゃなくて、ダシパックですよ 」

と申し上げました。

そしたら

「 どういうダシパックがいいんだ？ 」

と聞かれたので

　「 今、世間で爆発的に売れているのは
　　酵母エキスが入っているヤツです 」

そしたら

「 あー、酵母エキスで味を作ってるのね 」

と、加工食品に詳しい仲人殿は
すぐに理解をしてくれたのであります。


化学調味料は一切使ってません
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
なーんて高らかに謳っているダシパックが
世間では、多々、売られていますが
その多くには酵母エキスなる
素材が使われています。


酵母エキスは、確かに
天然素材から作っているので
化学調味料ではありません。

だから、決してウソではないのですが・・・

味の素さんのＬグルタミン酸だって
サトウキビから作ってるから
化学調味料じゃぁないのですよ。

（だから、「うまみ調味料」と呼ばれてる）


私が調べた限りでは
酵母エキスもＬグルタミン酸も
製造哲学は、同じようなモノ。

強いて言えば、酵母エキスの方が
精製度合いが低い

こんな感じ。


でありますから

酵母エキスが作り出す味は
世間一般的に言う化学調味料の味と
ほんと、似てるので
今時の消費者様の味覚にマッチしている

だから
酵母エキス入りのダシパックは大人気

だと信じている。


酵母エキスを使ってるけど
化学調味料無添加を謳う商品

鰹節屋的には
どうしても許しがたい。

だって、化学調味料を使うことに
罪悪感を感じている人を煽って、実は
似たような物を売ってるわけですから。


でも、世間では、受けている。

これが現実であります。


詳しい話はしませんでしたが
そんな事を思いながら仲人殿に話すトーン
きっと険しかったのでしょう

　「 テレビ通販には、良い選択ですよ

　　ウチじゃ－、絶対に売りませんが・・・ 」

なーんて言ったら


冒頭のご意見

　「 俺は生活のために商売してるけど
　　そっちは趣味でしてるだろ

　　そこの違いだよ

　　だから、どうしろとは言わないけどね 」

を賜ったのであります。


まあ、私だって、生活のために
商売してるんですよ。

でも、やりたくない事が、沢山あるだけ。

もうちょっと柔軟性があったら

今頃
酵母エキス入りのダシパックやら塩やらを

化学調味料無添加でーす

なんて、大々的に謳いながら売って
大ブレークしてたかも？？？


まあ、そんな事できる人間なら
とっくのとうに、違う商売してますけどね。


自分の性分なんて
今更、変えられないじゃないですか
だから、仲人殿のご意見を久々に聞いて

私は
趣味の商売を、徹底的に極めるべし

とあらためて確認した次第であります。



さぁ、商売商売

来週の月曜日から一週間は鹿児島
恒例の鰹節入札会に参加します。

ノートパソコンは持参しますが
メールへの返信が遅くなると思います
ご了承ください。

よろしくお願い申し上げます。

幻のアサクサ海苔、ようやく手に入りました

バルサミコはまろやかでツンとしないのに

なんで日本の米酢はツンとして、とげとげしいの？

こんな疑問にお答えします

香り、大きさが違います

キクラゲは、やっぱりキノコの仲間だった

職人が丁寧に仕上げた、まがい物ではない、昔ながらの
「真っ当な食材」を、一人でも多くの方に味わっていただきたい。
そして、子や孫の世代に残してゆきたいと考えています。
　

築地仲卸　伏高 中野　克彦 nakano@fushitaka.com 「海のだし」のお話は https://www.fushitaka.com/

伏高流 鰹節の削り方 ＜動画にて公開中＞