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鰹節の伏高トップページ伏高コラム/レシピ鰹節屋のつぶやき > 波照間の黒みつ

コクがあるのに、スッキリさわやか

 

 

波照間の黒みつ

これ、今月(2010年6月)から販売する新商品のキャッチフレーズです。

 

「コクがあるのに、スッキリさわやか」なんて、ビールとコーラの謳い文句を足して2で割ったような商品に聞こえるかもしれませんが、新商品は飲み物ではありません。

 

波照間産の黒糖から作った「黒みつ」であります。

 

本当は「きちんと蕎麦の味がする乾麺」を新商品としてお届けしたかったのですが、残念ながら、自信をもってオススメできる乾麺は、いまだ出来上がっておりません。

 

そんな中、波照間の純黒糖でお世話になっている砂糖問屋の社長さんから、声をかけられました。

 

「日新製糖さんが波照間島の黒糖だけを原料にした黒みつを発売したんですが、扱っていただけないでしょうか・・・量販店にはあまり出回ってないし、原料は100%波照間の黒糖ですから、御社にはピッタリです。すぐにサンプルを送りますから、ご検討下さい」

 

少なくとも年に一つか二つは新商品を導入したいと思ってますから、社長さんのご提案は有難かったのですが、なんたって私は甘いモノが大の苦手。サンプルを味見しても、その商品が弊店で扱うに資するかどうか判断できません。

 

そんな時に頼りになるのが、甘いモノ大好き人間の我が家のカミさん。

サンプルを口に入れた瞬間、笑顔になって「これ、おいしいー」と一言。

 

この時点で、その黒みつを販売する気持ちに大きく傾いたのであります。

 

でも「ウチのカミさんが旨いと言ってるから、買って下さい」なーんて、お客様に通用する話ではありません。そこで、日新製糖の商品企画の担当者さんにお目にかかり、聞きました。

 

「世の中、数多くのメーカーさんが黒みつを作っているじゃないですか。そんな星の数ほどある黒みつの中で、御社の黒みつをウチのお客様が選ぶべき理由を教えて下さい」

 

ちょっと奇抜な質問だったようで、戸惑ってらっしゃいましたが答えてくれました。

 

担当者さん曰く

 

一般的な市販の黒みつ(普及品)の多くは、ドロッとしています。何故かと言えば、原材料に黒糖だけでなく、水飴やハチミツの類も使っているからだなそうな。

 

それら混ぜモノは、(1)砂糖の再結晶化を防ぐ、(2)原料コストを抑える、(3)品質低下の防止(菌の増殖防止)、等の目的で使われているらしい。

 

しかしながら、混ぜモノが入っている故、黒糖とは違う味もしてしまう

 

との事。

 

なお、後日、食べ比べて、日新製糖さんの黒みつはバッチリ黒糖の味がするが、ドロッとしている市販品は、全く別物の味がすることを確認しました。

 

「ウチのお客さんはお料理が好きな方ばかりですから、ご自分で、混ぜモノ無しの黒みつを作られる方も多いと思うのですが、お手製ではなく、御社の黒みつを使うべき理由は何ですか?」

 

と、私の質問は続きます。すると

 

「確かにご家庭で作れば混ぜモノ無しですが、黒糖から出てくるアクをキレイに取り除くことは、現実的に不可能です。だから、黒みつのレシピの大半は黒糖だけでなく、上白糖などアクが出ない砂糖も材料に使っているのです」

 

と答えが返ってきた。

 

ちなみに、日新製糖さんの黒みつは、200メッシュという規格の極めて細かい網を使い、きっちりアクを取り除くので、黒糖独特のコクを残しつつも、スッキリさわやな味わいに仕上がっています。なお、200メッシュとは弊店の粉だしの細かさとお考えください。

 

百聞は一見に如かず。自分で波照間の黒糖と水だけで、黒みつを作ってみました。

 

すると、まず黒みつ作りは思いの外、難しいと気が付いた。煮詰めすぎると固まるし、煮詰めが足りないと、水っぽくなってしまうのですよ。おまけに、味見をしようとして親指にヤケドを負い、水ぶくれが出来てしまったのですから、踏んだり蹴ったり。

 

3度目の挑戦で、ようやく、そこそこの頃合いに煮詰まった黒みつが出来上がったのですが・・・

 

やっぱり、アクをキレイに取り除くのは至難の業でした。出来上がった黒みつは、サッパリ感がイマイチで、重い味わいだったのであります。

 

めんつゆやポン酢の経験から「既製品よりお手製の方が旨い」と頑なに信じていた私ですが・・・

 

自分で作ってみて、

 

お手製よりも、工場できちんと温度や濃度を管理しながら作業をして、きっちりアクを取り除いた黒みつの方が、数段、洗練された味わいに仕上がる

 

と体感した次第です。

 

 

波照間の黒みつ

かくして「コクがあるのに、スッキリさわやかな波照間の黒みつ」の新発売となった次第です。

「あの黒みつ、アイスの上にかけたら美味しかったわよ」とカミさんが申しておりました。

 

夏に向かい冷たいモノが恋しい季節になります。スッキリさわやかな波照間の黒みつを、この機会に、ぜひ一度お試しください。よろしくお願い申し上げます。

 

 

築地仲卸 伏高 三代目店主 中野 克彦