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漆器に盛ると
白いご飯がまばゆく輝く

 

 

野田さんから頂戴した塗り箸(カラン箸)。

野田行作(御主人)さんと辻嘉一さんとの会話の中で、「吉野杉で作られた利休箸が大変使いやすいけど 白木地では使い捨てになり勿体ない」、こんな話になったそうな。そこで野田さんが利休箸に漆を塗ることを考え、このカラン箸が誕生しました。きちんと使えば一年くらいは使えるそうです。

今年(2016年)の7月、漆作家の野田とし子さんの講演を聞く機会がありました。

野田さんは、漆作家である御主人の野田行作さんが亡くなられた後、御主人の工房を継承する事になり、努力を重ねながらプロの漆作家になられたという異色な経歴の持ち主。

約50年間、漆器を作り続けられ、百貨店などで定期的に個展を開かれている作家さんです。

 

漆器の作り方から手入れの方法、そして日本から消えつつある漆文化への思い等々、
二時間近くお話をうかがいましたが、

中でも懐石の名店『辻留』の御主人、辻嘉一さんの話が一番印象に残りました。

 

千鳥汁椀(ちどりしるわん)

お椀の縁が外に反っているのが千鳥型。
その縁に口をつけると、千鳥の形に唇が
自然にフィットするのでしょうね。
その感触が、すごーく心地良いのです。

辻さんは野田行作さんの漆器をいたく気に入り、
『辻留』で使っていたとの事。

辻さんがお椀を買う際に、必ず行うことがありました。

それは、唇をお椀の縁につけ、その感触を確かめる事。

心地良い感触のお椀だけを選んだそうです。

この話を聞いて、すごく嬉しかった。

というのも

昨年、弊店で漆のお椀を販売するに際し
販売する汁椀を選ぶ時に、私も唇の感触が
心地良いお椀を選んだからです。

 

野田さんの生活空間は、やはり漆製品で溢れています。

湯船まで漆塗りなんて話を聞いて驚いた。
当然のことながら、食器も漆器です。
味噌汁もご飯も漆器に入れて、塗り箸で食べている。

「漆器で食べるとご飯も味噌汁も、美味しくなります。
 漆器は高いを思われているかもしれません。

 でも、きちんと使えば十年、二十年と長持ちします。
 だから決して高くはございません。

 皆さま、ぜひ漆器を使って
 美味しい食生活をお楽しみくださいませ」

と、漆文化の行く末を、心の底から心配されている
野田さんの思いが溢れる講演でした。

 

講演を聴いた直後、単純な私ですから、

「次は漆器の飯椀を売ろう」

と思った次第であります。

でも・・・確かに、味噌汁は漆器のお椀で飲むと旨かった。
それは、唇の感触がすごーく心地良かったから。

でも、ご飯を食べる時、お椀に口はつけません。
だから、正直な話、「漆器でご飯を食べると、本当に美味しいの?」
と疑問に思っていたのも事実であります。

乱筋飯椀(みだれすじめしわん)

千鳥汁椀に比べると、直径が1㎝大き、高さは1センチ低い

百聞は一見、いや一食に如かず。

先ずは食べてみなくてはと
弊店の隣にある漆器屋さんの旦那に
「ご飯が美味しくなる飯椀」の提案をお願いすると
二週間後、黒と朱色の飯椀が届きました。

弊店で扱っている汁椀より、
ちょいと大きいけど大丈夫?
これが第一印象です。

 

自宅に持ち帰り、飯椀と汁椀を並べてると
これが何とも良い感じ、お似合いの飯椀と汁椀です。

早速、飯椀にご飯、汁椀に味噌汁を入れ、食卓に置いてみた。

 

 

糖尿病の私は、少ししかご飯を盛らないのですが
その存在感に驚きました。

黒の器に白いご飯がまばゆく映えるからでしょうね。

 

そして、隣には汁椀に入った味噌汁。
食卓が、俄然、厳かに感じます。

食事の格がワンランクいやツーランク上がった
これが正直な感想です。

左手で飯椀を持つと、軽い。
そして、ご飯の熱さが手に伝わりにくい。

箸でご飯を口に近づけると

「心して味わわなきゃ」ってな真摯な気持になるのだから
そりゃー、ご飯も旨いですよ。

かくして、「きちんとした食事をしている」と実感しながら
日々、我が家での食生活を楽しんでます。

 

乱筋飯椀(黒) 乱筋飯椀(朱)

漆器の事を英語で何というとご存じですか?

なんと ・・・ 

japan(ジャパン)ですよ。

西洋人が日本の漆器の素晴らしさを認めたので、日本(japan)が漆器を指すようになったそうな。

 

世界に冠たる純国産の飯椀
より美味しくて、より楽しい食卓を囲んでください。

 

  中野 克彦
築地仲卸  伏高
 三代目店主 

海のだしお試しセット

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