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マイタケも乾燥させると旨くなる

 

 

乾椎茸には、生椎茸よりも旨み成分が10倍も多く

 

含まれている理由をご存じですか???

 

椎茸の細胞には「リボ核酸」と、それを分解して旨み成分(グアニル酸)に変える「酵素」が

存在しています。しかしながら生の状態では、両者が離ればなれに細胞内で存在しているので、酵素がリボ核酸に働きかけることができません。

 

乾シイタケを水に戻すとグアニル酸が生み出される

ところが、椎茸を乾燥させると細胞に変化が起こり、酵素が動き回れるようになります。

 

そして、乾椎茸を水に戻すと、細胞内で酵素とリボ核酸が隣り合わせになり

酵素がリボ核酸に作用し、グアニル酸が生み出されるので、旨み成分が10倍にもなるのです。

 

香りについても同様の仕組みで、酵素がレンチオニン酸に作用し

香り成分(レンチニオン)が生成されます。

 

このメカニズム、何も椎茸だけに限ったことではありません。

他のキノコも乾燥させると旨みが増す

 

例えば、マイタケの旨みは3倍になる、なんて話を乾椎茸博士から聞いたのは3年前。

 

以来、乾燥させたキノコを食べてみたかったのですが・・・「乾マイタケ」も「乾シメジ」もスーパーで見かけることなんてないじゃないですか。

 

原木栽培のマイタケ

ところが今年(2012年)の2月、ビックサイトで行われていた食品の展示会で、たまたま見つけたんですよ、乾燥マイタケを。

 

ブースには生産者の方がいらしたので、話を聞くと、

 

「市場に出回っているマイタケの99%は菌床栽培

 ですがウチのは原木栽培。

 それを乾燥させていますから、抜群に美味しいですよ」

 

との事。

 

菌床栽培のマイタケとはオガクズ等を固めたモノに菌を植え付け培養し、

2~3ヶ月で成長させ収穫する、いわば、一年中、工場で量産される人工的なマイタケです。

 

それに対して原木栽培のマイタケは、丸太にマイタケの菌を植え

6~7ヶ月かけて育てるので、天然のマイタケにより近く

味も香りも食感も、段違いに違うとのことでした。

 

原木栽培のマイタケ

ただ、原木栽培は収穫期が年に一度。それも10月の一ヶ月間だけですから、

数量的に限られているのが玉にキズ。

 

だから、原木栽培のマイタケは、直接、数少ない特定の飲食店に納められしまい、

市場での流通は皆無に近いのです。

 

さて、厚かましくもサンプルを3個も貰った私。翌日、我が家で試食です。

 

カミさん「すっごい香りなのよ、驚いちゃった」と

ニコニコしながらマイタケの味噌汁を食卓に持ってきた。

 

味噌汁が目の前に来ると、確かに香る。

そして、マイタケを口に入れると、いやーほんと、マイタケの香りが口の中

いや、鼻腔にぐわーっと広がるんですよ。

 

そして、噛むと、これまたシャキシャキっとして抜群の食感。

 

いやーほんと、こんな旨いマイタケ、生まれて初めて食べたのであります。

 

乾舞茸

てな訳で、乾燥したマイタケ、試験的に販売することにいたしました。

 

ただ、原木栽培のマイタケですから、絶対量が少ないんです。

また、珍しい食材ですので、どの程度の売れるのか見当もつきません。

 

そこで、来年の3月下旬まで、あるいは仕入れた分が売り切れるまでの限定販売とさせていただきます。

 

乾燥したマイタケ ならではの、香りと食感、この機会に味わってください。

 

 

築地仲卸 伏高 三代目店主 中野 克彦

 

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