あらためまして、おはようございます。
伏高の中野です。
「 アゴが大変な事になってるとですよ 」
9月7日の水曜日
鹿児島は枕崎の街を歩いていると
平戸の焼あご製造家さんから
電話がかかってきた。
何でもトビウオ(アゴ)の浜値が
昨年の2倍近くになっているらしい。
例年、長崎では9月がトビウオの
漁期となります。
約1ヶ月の漁期に
五島と平戸に水揚げされた
トビウオを1年分の焼アゴやら
アゴ煮干に加工するのであります。
「 大手の買いが強すぎて
まだ一尾も買ってないとですよ 」
今の相場で焼アゴを作ると
少なくとも去年の1.5倍の価格に
になるとですが、それでも伏高さん
買いますか? 」
との質問に
「 そりゃー、なければ高くても買いますが
正直な話、販売数量はわかりません
半分になるかも???
でも無いと困るので
何とか作って下さいな 」
こう答えるのが精一杯でした。
数量は保証できない
でも作ってね
なんとも、情けない返事ですが
格好をつけても仕方ない
零細家業の限界であります。
それにしてもトビウオの相場
異常事態です。
で、ちょっと調べてみたら
五島のアゴは大手コンビニチェーンが
大半を買ってしまうらしい。
となると、他の大口需用者
(ダシパック屋さん等)は平戸の
アゴを買うしかありません。
そりゃー、高騰もしますよね。
五島のアゴ、コンビニの
おでん出汁に使われるんですって
それも、鰹節の代わりに。
何でも、アゴを使う前は
コンビニの店内に漂う鰹節の香りが
一部の顧客に不評だったとか
で、鰹節を減らしてアゴを使ったら
香りに対するクレイムがなくなり
めでたしめでたし
となったそうな。
鰹節屋としては複雑な心境ですが
確かに、鰹節の香りが苦手な人
もいますよね。
私思うに、コンビニのおでん出汁
味の骨格は旨味調味料で作っていて
鰹節やら焼アゴは、「入ってます」と
謳うために、ほんの少しだけ使っている
のはないでしょうか?
だから、アゴが高くなっても
さして痛くもかゆくも無い
一店舗当たりの使用量は微々たるもの
でしょうが、全国津々浦々の店舗の分を
合わせれば、かなりの量になるはずです。
結果的に、焼アゴやアゴ煮干が
高騰するなんて
その昔から焼あごでダシをとっている
一般のご家庭や飲食店さんにしてみれば
すごく迷惑な話であります。
まあ、真偽の程はわかりませんが
恐るべしコンビニの購買力
こんな話であります。
てな訳で、今の在庫がなくなったら
恐らく大幅値上げになると思います。
焼あごファンの方には
今のうちにお買上げいただければと
思っております。
焼あご ¥1,350/100g
¥2,428/300g
コンビニのおでんの湯気で秋を知り
こんな川柳がありましたが・・・
コンビニエンスストアが日本人の食生活に
与える影響は莫大に違いない。
ふぅー
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