あらためまして、おはようございます。
伏高の中野です。
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野田さんから頂戴した塗り箸(カラン箸)。
野田行作(御主人)さんと辻嘉一さんとの会話の中で、「吉野杉で作られた利休箸が大変使いやすいけど
白木地では使い捨てになり勿体ない」、こんな話になったそうな。そこで野田さんが利休箸に漆を塗ることを考え、このカラン箸が誕生しました。きちんと使えば一年くらいは使えるそうです。
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今年の7月、漆作家の野田とし子さん
の講演を聞く機会がありました。
野田さんは、漆作家である御主人の 野田行作さんが亡くなられた後、 御主人の工房を継承する事になり、 努力を重ねながらプロの漆作家に なられたという異色な経歴の持ち主。
約50年間、漆器を作り続けられ、 百貨店などで定期的に個展を 開かれている作家さんです。
漆器の作り方から手入れの方法、 そして日本から消えつつある漆文化 への思い等々、 二時間近くお話をうかがいましたが、
中でも懐石の名店『辻留』の御主人、 辻嘉一さんの話が一番印象に残りました。
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越前塗りの千鳥汁椀です。
外に反っているのが千鳥型の縁に
口をつけると、その感触は
すごーく心地良いのです。
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辻さんは野田行作さんの漆器を
いたく気に入り、『辻留』で使っていた。
辻さんがお椀を買う際に、 必ず行うことがありました。
それは、唇をお椀の縁につけ、 その感触を確かめる事。
心地良い感触のお椀だけを 選んだそうです。
この話を聞いて、すごく嬉しかった。
というのも
昨年、弊店で漆のお椀を販売するに際し 販売する汁椀を選ぶ時に、
私も唇の感触が心地良いお椀を 選んだからです。
野田さんの生活空間は、 やはり漆製品で溢れています。
湯船まで漆塗りなんて話を聞いて驚いた。 当然のことながら、食器も漆器です。 味噌汁もご飯も漆器に入れて、 塗り箸で食べている。
「漆器で食べるとご飯も味噌汁も、美味しくなります。
漆器は高いを思われているかもしれません。
でも、きちんと使えば十年、二十年と長持ちします。
だから決して高くはございません。
皆さま、ぜひ漆器を使って
美味しい食生活をお楽しみくださいませ」
と、漆文化の行く末を、心の底から心配されている 野田さんの思いが溢れる講演でした。
講演を聴いた直後、単純な私ですから、
「次は漆器の飯椀を売ろう」
と思った次第であります。
と、ここから飯椀の話が続くのですが 御用とお急ぎがなければ
続きをこちらでお読みくださいませ。
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